完結漫画7タイトルの1巻だけ買ってみた

漫画の1巻

短編(少女)漫画のアンソロジーを読んでとても感心してしまい、よし、古めの名作漫画を読もう、と思い立った。

それも長いものではなく、なるべく少ない巻で完結しているものがいい。

だから文庫になっているものを探して、とりあえず1巻をまとめて買ってみた。

完結漫画は手に取りやすい

最近読んだ漫画

僕と漫画のかかわりは、これまでわりと浅かったと思う。

人生で漫画との付き合いが一番深かったのは、中学・高校から大学生くらいまでの間、成長に応じて週刊ジャンプ、スピリッツ、モーニングあたりを読んでいた頃だ。

それ以降はなぜかずっと、漫画との濃い接点は持たなかった。

年齢的にとりあえず漫画は卒業したと思っていたのか、またはメジャーな漫画の絵柄がどんどんきれいに、線が細く、キャラクターがかっこよくなっていく過程のどこかで、心が離れたのかもしれない。

ごく最近になってから、雑誌ではなくコミックスで買って再び漫画を読みだしているんだけど、それも手塚治虫作品を除けば、やっぱり連載当時に斜め読みしていた昔のジャンプ漫画が多い。

例をあげれば…

 

『ジャングルの王者ターちゃん』

タイトルに「新」が付かないほう。対戦格闘ストーリーギャグ漫画になる前の、1話完結の頃のターちゃんだ。

コンビニコミックを買って読んだら案外面白く、去年、古書で全7巻をまとめて購入した。現在は文庫でも出ているが、僕が買ったのは昔出た大判のコミックス版だ。

下ネタギャグのオンパレードで、当時はつまらないと思っていたのだけど、いま読むとそれがおかしくてたまらない。

ターちゃん

10代半ばで読んだ時には面白くもなんともなかったこんなギャグで、どういうわけかいま読むと声を出して笑ってしまう。

キャラクターとしてのターちゃんはたいへん下品だが、それを描く徳弘正也さんの上品さが好ましいと思う。流血の描写とか、砕けた岩が丸いところとか。

 

『DRAGON BALL』

ドラゴンボールは、僕が中高生の頃に少年ジャンプで連載されていた作品。ピッコロ大魔王を倒すまでを「完全版」であらためて読んだ。

個人的には、この作品は天下一武道会に成長した悟空が現れる雨上がりのシーンが全編のクライマックスだった。あの回の幸福感はほかに類を見ない。

その後に続く天下一武道会の対戦には、映画でいうとエンドクレジットが流れる背景で展開されている一連のシーンのような、余韻の味わいがあってそれもまたいい。

ドラゴンボールのこれ以降のストーリーは、「新たな強い敵が出てきて悟空がもっと強くなる」の変奏曲になっていく。

「スカウター」の画期的な発明で戦闘力が数値で見えるようになり、ぐっと面白さが増して、当時のジャンプの記録的な発行部数をもたらす原動力となるのだけど、結局この発明が強力すぎて、戦闘力の数字が物語を駆動するのを止められなかった。

 

『ジョジョの奇妙な冒険』

第1部のジョナサン・ジョースター/ディオ・ブランドー編から5部イタリア編までを、去年から今年にかけて文庫で読んだ。

2部~3部あたりは、ジャンプ連載時にも読んでいる。

ジャンプが面白くなくなってしだいに読まなくなったのが、4部の途中くらいだったようだ。

杜王町のエピソードも、吉良吉影や山岸由花子は知っていても、最後にどうなったかは覚えていなかったし、鼠や宇宙人や鉄塔の男には見覚えがなかった。

文庫で5部まで読んで、とりあえず今はこのへんで立ち止まろうかなという気になっている。

『たんけんぼくのまち』的に小さな街の中であれやこれやバリエーションが豊かだった4部と比べて、5部は直線的に、そしてスタイリッシュになり、一方でパワーダウンしたと感じた。

敵にかわされた攻撃の真の意図があとでわかるような形勢逆転劇が多い。ディオやカーズと比べてボスのスケールも小さいし、二重人格という設定はあるが吉良みたいな強いキャラクター性もない。

ジョルノのディオの息子という設定も展開されなかったし消化不良の感じは最後まであった。

でも、終盤の死んだはずの彼がずっと生き続けていたりキャラクターの中身が入れ替わったりしたまま回が進むカオティックな部分だけは良かったな。

 

短い完結漫画を探そう

やっぱり長編漫画はどれも最後までは読んでいない。

例外は大学生の頃に復刊されたのを読んだ『あしたのジョー』くらいだ。

90年代に『こち亀』をさかのぼって読んだ以外は、古い漫画をDigって読むということもそんなになかったように思う。

たまたま日野日出志さんの単行本を見つけて買って読んだりはしていたけれど、これも1巻完結の短めの作品だ。

 

完結漫画の1巻だけをまとめ買い

文庫になっている漫画は、すでに完結していて、作品自体も評価の定まったものが多いはずだ。

そう考えて、今回、文庫を中心に漫画の1巻だけをまとめ買いした。

漫画の1巻

写真の上から、

  • 『ウッシーとの日々 (1)』はた万次郎 全4巻
  • 『ここはグリーン・ウッド (1)』那州雪江 全6巻
  • 『神童 (1)』さそうあきら 全3巻
  • 『笑う大天使(ミカエル)(1)(2)』川原泉
  • 『MW (1)(2)』手塚治虫
  • 『あるいて一歩!!(1)』武田ずん 全3巻
  • 『コーヒーもう一杯 (1)』山川直人 全5巻

笑う大天使とMWは2巻で完結なので、それぞれ2巻まで買った。

ど根性ガエルの娘 (1)も写っているが、これはまだ完結していない。

7作品をパラパラめくってみた印象

『ウッシーとの日々』

ウッシーとの日々は、はた万次郎さんの日常を描くコミックだ。

はた万次郎さんの名前には覚えがあるし絵にも見覚えがあるんだけど、なにを描いていた人なのか思い出せない。昔ヤングジャンプで連載していたらしいので、それを見ていたのかなあ。もっと最近見たような気がするけど。

ウッシーはもらってきた子犬で、模様が牛みたいなのでそう命名されている。

1話が短く、この1巻に28話まで収録。そしてテンポよく第4話までに犬、猫、人の北海道生活が始まる。

ウッシーとの日々

文庫だから字が小さいなー、いったんスキャンしようかなと思いながら読みだしたら、ぐいぐい引っ張られて止まらなくなっている。

これは次回、残りの3冊を購入決定。

少し読んだだけで、すでに動物たちがかわいい。そしてタイトルからして、泣かされそうな展開の気配も感じるが、ともかくいい読書になりそうだ。

 

『笑う大天使』

なんとなくタイトルに聞き覚えがあったため購入してみた。

過去に映画化もされたらしい。

 

『ここはグリーン・ウッド』

風のうわさにいい作品であることは聞いていて、読む前から好印象を持っている。

高校の男子寮が舞台で、僕は共学だったけれど、僕の10代半ばごろと連載時期が重なっていてノスタルジックな気分にもなれそうだ。

今回買ったなかでは分量の多い全6巻なので、2巻くらいまでは読んでから判断しようかな。

 

『あるいて一歩!!』

ほのぼのとしたコメディーの良作を期待して購入。

しかし期待したそんな雰囲気よりもややパンツの露出が多いようだな。

パンツにはファンタジーはない。物語にファンタジーが欲しい。舞台設定は面白そうだ。

 

『コーヒーもう一杯』

絵柄が独特だ。木版画のような太い線。

1話読み切りの12編を収録。どのエピソードにもコーヒーが登場するらしい。少しずつ読みたい。

 

名作完結漫画の1巻だけ買ってみた まとめ

今回買った作品は、昭和あるいは20世紀の作品が多い。文芸で書いている「Dig!20世紀」の漫画版だな。

Dig!20世紀その1 漱石「坑夫」ほか1901年から09年の日本文学
20世紀に書かれた小説その他の文学作品から、年度に1作ずつセレクトしてみる企画を始めようと思う。 まずは20世紀初頭の小説を、ネット上で読める短いものの中から選んでみた。紹介している作品はいずれも青空文庫その他に全文がある。 初回は1901...

どの作品もまず1巻を読んでみて、続きを買うかどうか決めようと思う。

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