10円玉(ギザ10)をクエン酸と歯磨き粉でピカピカにしてみた

10円玉をクエン酸に浸けたらアクアフレッシュが優勝した

クエン酸に浸ける

いま手元に古い10円玉がある。側面にギザギザのある、通称「ギザ10」だ。

昭和27年発行の一枚。

ギザ10も見かけることが少なくなりましたね。

古い10円玉だけに酸化して色もしっかり濃くなっているけれど、これをきれいにしてみたい。

少量のクエン酸溶液を作って浸ける。

期待通りにいくなら、酸化している銅が還元作用で元の色を取り戻すはずだ。

ものの1分くらいで、ギザ10の色がはっきりと明るくなっているのが分かった。

表面の汚れが取れているというのでもなく、ただ10円玉そのものの色が変わっていく。

クエン「酸」っていうから更に酸化するかと思いきや、そうではないんですね。

クエン酸溶液の中の水素イオンが、10円玉の酸化銅から酸素を奪う。その結果として水ができ(H₂O)、一方で10円玉は元の色合いを取り戻す。

10分くらいで引き上げて、昭和56年の未処理の10円玉と並べてみた。

昭和27年と言えば、敗戦から7年後、日本本土がやっと占領解除された年だ。

小津安二郎の『お茶漬の味』や、黒澤明の『生きる』が公開されていたころ。初代『ゴジラ』の2年前だ。

このギザ10はこんな時代から人々の間をめぐりめぐっているのだね。どんなお店で、どんなものを買ってきたのだろうか。

とあるサイトによると、昭和27年(1952年)の大卒の初任給が6500円、ラーメン一杯25円、喫茶店のコーヒー30円、銭湯12円、週刊誌25円だったそうだから、当時の10円は、なかなか使いでのある金額だったようだ。

ちなみに昭和26年から33年にかけて発行された10円玉に、このようなギザギザがついている。

歯磨き粉で磨く

クエン酸溶液の後は、歯磨き粉で磨いてみた。

そうすると、あれよあれよと思う間に汚れが浮き上がってきた。これもなかなかすごい。さらにピカピカになった。

クエン酸で酸化した銅を還元し、歯磨き粉で表面の汚れを落とす。この2段階の作業で、新品同様とまではいかないが、それでも見違えるほどきれいになった。

昭和56年くん「先輩、お肌が輝いてますね」

「俺もピカピカになりてえ…」

結論。アクアフレッシュ優勝。

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