岩波文庫の『源氏物語』(柳井・室伏ほか) 全9巻は、あらすじの大体のところは知っている読者が、あらためて原文に挑戦するのに適した書物だと思います。
その帖分けを、備忘のためにまとめておきます。
ざっと見たところ、おおむね内容的にきりのよいところで分冊になっているようです。
岩波文庫『源氏物語』全9巻
岩波文庫『源氏物語』のつくり
この『源氏物語』では、まず各帖ごとの冒頭にダイジェストであらすじを紹介するパートがあり、
本文に入ると、見開き右側に原文、左側に二段組で注釈・補訳という体裁になっています。
この左ページの注釈・補訳だけで、全訳とは言わないまでもほとんどそれに近い内容があるので、意欲さえあれば原文通読のハードルは低そうです。
Amazonでの1巻のレビューにもそうした感想が見られます。
各巻の帖分け
以下が各巻の帖分けとなります。
※「01桐壺」などの算用数字は、全54帖を一覧するときなどに一般的につけられるもので、岩波文庫の目次についているものではありませんが、便宜のために表示しています。
(あとコメントはわたしの個人的な感想なのであまり気にしないでね。)
1巻
- 01桐壺
- 02帚木
- 03空蝉
- 04夕顔
- 05若紫
- 06末摘花
1巻は「桐壺」から「末摘花」まで。このへんに出てくる女性たちは皆レジェンド感がありますね。
末摘花どうなったのかなーと思っていると、3巻の「蓬生」で再登場します。忘れられてなかった!
2巻
- 07紅葉賀
- 08花宴
- 09葵
- 10賢木
- 11花散里
- 12須磨
- 13明石
2巻で一気に「明石」まで。
物語全体の中で、源氏に主人公感があるのは案外このへんまで。源氏18歳前後から27歳前後にあたり、内容的にもだんだん「青春も終わったな…」感が出てきます。
3巻
- 14澪標
- 15蓬生
- 16関屋
- 17絵合
- 18松風
- 19薄雲
- 20朝顔
- 21少女
都に戻り、政治的な基盤を固めていく源氏。
「少女」で夕霧と雲居の雁のエピソードが始まります。
4巻
- 22玉鬘
- 23初音
- 24胡蝶
- 25蛍
- 26常夏
- 27篝火
- 28野分
- 29行幸
- 30藤袴
- 31真木柱
この4巻に玉鬘十帖がぴったり収まっています。
源氏の立てる波風をもろに受ける人生だった玉鬘…。
5巻
- 32梅枝
- 33藤裏葉
- 34若菜・上
- 35若菜・下
5巻は「若菜」上下が大半を占めます。女三宮が登場。
源氏が栄華の絶頂を極める一方で、彼と関わる女は皆それぞれに不幸を抱え込んでいくなあとしみじみするあたりでしょうか。
6巻
- 36柏木
- 37横笛
- 38鈴虫
- 39夕霧
- 40御法
- 41幻
薫が誕生し、柏木と紫の上が死にます。若い頃は雲居の雁ひとすじに見えた夕霧は…。
(「雲隠」は目次にもなし)
7巻
- 42匂兵部卿
- 43紅梅
- 44竹河
- 45橋姫
- 46椎本
- 47総角
成人した薫に加えて、問題児(?)匂宮が登場。
「橋姫」からは、物語の締めくくりとなる宇治十帖が始まります。
8巻
- 48早蕨
- 49宿木
- 50東屋
- 51浮舟
知ってか知らずか、源氏の「死んだあのひとに似ているこのひと」パターンを踏襲する薫。物語が韻を踏みます。
匂宮もたいがいだが、お前もなかなかだよな。
9巻
- 52蜻蛉
- 53手習
- 54夢浮橋
匂宮と薫の板挟みになって、受動的にいきるほかない女たちの人生をあたかも象徴するかのように「浮舟」という名前で呼ばれた女性が、最終的に固い決意を感じさせる隠棲に及び、そのことでこの大河小説の幕が引かれることに感慨を覚えます。












