1980年代に発行された沖縄の空撮写真集『大那覇市』と『ふるさと飛行』を買った。
空撮写真集『大那覇市』と『ふるさと飛行』
昭和~平成の各地の航空写真集
詳しい経緯はよくわからないが、80年代半ばから90年代初めごろを中心に、各地の新聞社が発行するこうした空撮写真集のブームがあったようだ。
いずれも箱入りの大型本で布張りの装丁であるほか、中のページのレイアウトもよく似ている。
当時、系列新聞社などのグループで企画があったのか、あるいは新聞社に売り込みをかけた有力な編集プロダクションがあったりしたのかもしれない。
書名は「ふるさと飛行」「○○県航空写真集」や「空から見た○○」が多いほか、独自の個性的なタイトルにしているところもある。
- 空から東京 23区・多摩
- 兵庫を飛ぶ
- 福井百年を翔ぶ
- わがまち旋回(静岡県)
- ふるさと旋回(佐賀県)
- 飛んで翔んで大阪
- ふるさと空の旅(愛媛県)
- かがわ空紀行
- 空からの郷土三重
- 昭和の名古屋・平成の名古屋
- 京都 わが山河
- 湖国 わが山河(滋賀県・京都新聞社)
- わが町わが家82(岡山県)
- 空から千葉県
- 空から観るふるさと(奄美群島)
- 伸びゆく岩手
- 伸びゆく宮城
- とくしまを翔ぶ
簡単に検索しただけでこれくらいはあった。「航空写真集+都道府県名」で検索すれば、おそらくどの県でもひとつかふたつは見つかるのではないだろうか。
大那覇市 航空写真地図
1984年2月発行・那覇出版社。撮影は83年だと思われる。
古蔵中のグラウンドにも、白線で描いた1983の文字が見える。
那覇市のほぼ全域がこのようにメッシュされて真上から撮影されていて、那覇市に接する浦添、西原、南風原、豊見城の各市町村の一部も見ることができる。
見開きにはそのメッシュの一つ一つにあたる写真と、その中で番号を振られた施設やビル名も横に表示されている。
黒川紀章さんの県庁はまだない。ほかにも、
・国際通りのフェスティバルビルが建設中
・首里プールがまだある
・波の上レジャープールは建設が始まったばかり
・奥武山レストランの丸い屋根が見える
・新栄通り(サンライズなは)にはまだアーケードがない
・現在首里城のある場所には、琉球大学の校舎がまだそのまま残っている
・ラジオ沖縄が泉崎にある
など、当時を知っていればいるほど見どころは多そうだ。
ぼくはこの時代の那覇については詳しくは知らないのだけど、小学生の時に自転車で遊んだことのあるタンク跡の造成地を見ることができて懐かしい。
市民会館と与儀公園の間の道の入り口には白い車が停まっていて、これはひょっとして焼き芋屋さんかしらとおもったが、車の向きが違うか。
ふるさと飛行
こちらの『ふるさと飛行』は1986年10月発行・琉球新報社。
『大那覇市』が那覇市周辺だけだったのに対し、離島も含めた沖縄全域を収めていてページ数も多い。
撮影方法がメッシュではなく、場所によっては写真がない地域もあるのかもしれない。
那覇市の中心部など、ごく一部のページはこのように細部までよく確認できる。
しかし全体としては『大那覇市』よりも高い視点から俯瞰して広いエリアを撮影したページが多く、ひとつひとつの建物を確認しようとしても小さくしか見えないことが多い。
ぼくの実家は、写真の奥のほうに米粒大に写っていた。斜め方向からの撮影なので、手前と奥とでは見え方がかなり違う。
上が北になっていない写真もちらほらあった。
リウボウの屋上にはリフト的な乗り物が見える。
この当時の那覇タワーの展望レストランはまだ回転していたかな。
フェスティバルビルは完成している。屋上にガジュマルも見える。
58号線沿いの上之屋のマンションの看板は長いことコカ・コーラだったと思うけれど、この時代は明治チョコレートだ。
いまもコカ・コーラかなと思ってGoogleマップで確かめたら、広告募集中になっていた。そんなご時勢ですか。
Googleマップで現在と比べてみると、案外当時のビルも残っていることがわかる。