気分が落ち込んだ時に思い出したいこと

落ち込んだ時に忘れがちなこと・思い出したいこと

嫌なことや、片付けないといけない問題が偶然二つ三つ重なると、どうしても気分は落ち込んでしまい、そこからなかなか回復できないように感じることがある。

そういう時にはまず、気分的にいい状態に戻れるときが結局はまた来ることを、自分が知っていることを確認したい。

今はこうして苦しいけれども、いつか元に戻るのは分かっている、と思うだけでも、心の苦しさは緩和される。

この落ち込んだ状況はしばらく続くかもしれないが、これは一時的なもので、また以前のような精神状態を回復するときがくる。
そのことを、いま自分は知っている。
落ち込んでいる最中に、こんなふうな事を思い出せるといい。
誰しも、これまでに何回もこうした気分には陥ってきたはずで、そのたびにそんなトンネルから抜け出してきているはずだ。
その経験を思い出そう。
トンネルの出口

 

また、この気分の落ち込みはなんらかの原因があって発生しているのだと、まず認めることにも効果がある。

苦しい時には、自分そのものがだめなんだというふうに過剰に感じてしまうことがある。

自分を無力に感じて、環境とか運命とか、自分の中の変えられない部分に原因を求めたり、自分を取り囲む大きなものをまるごと否定したくなったりする。「なんてひどい人生なんだろう」とつい考えてしまうのも無理はないことだ。

でもその苦しみは、あなた自身や、あなたの人生そのものから発生しているのではなく、もっと個別具体的なきっかけや、原因があることがほとんどだろう。

それも一つではなく、複数重なるかたちで。

一つ一つは簡単に乗り越えられるようなギャップだったとしても、それが二つ三つと重なって不運に襲われると、心はフリーズしてしまい、頭でいろいろ考えても、深い轍に車輪をとられるように前に進めなくなってしまう。これは自然な心の働きだ。

だからこんなふうに考えるといい。

今はたまたまめぐり合わせが悪くて、気分が落ち込むようなできごとが重なったせいで、心が対処できる範囲を超えてしまった。
だからこんなに苦しい気持ちになっている。
こういうことは、生きているとしばしばあることだし、これまでにもあったし、そのたびに乗り越えてきた。

それらの個別具体的な原因は、とりあえず除去できなくてもいいのだ。解決策を思いつかなくてもいい。いまの自分を責めないというだけでメンタルの回復は近くなる。

 

そして、「食べて寝る」を数回繰り返すのもいい。

食事や睡眠のリセット機能は強力だ。

ストレスから過食に走ってしまう傾向のある人は話がまた別だけれど、気持ちが暗くなっているときは食べるのも忘れてしまうような人は、しっかり食べてしっかり寝ることを数回繰り返すことで、たとえ問題が何ら解決していなくても、心の安定を大きく取り戻すことができる。

「食べる」と「寝る」を繰り返すことで、少しずつ上向きの階段を上っていくことができるのだ。

階段

 

入浴も効果的だ。

お風呂に入ったりシャワーを浴びたりしているときだけは、なぜか前向きなことを考えていられるという経験はないだろうか。

こうした自然な前向きさは、ぬかるんだ状態のメンタルを少しずつ乾かして、いずれ前に踏み出していくための足場を固めてくれる。

逆に、無理して頭で考えたポジティブさは、それ自体が心の重荷になってしまうことがある。

いま読んでいるアンソロジー(ちくま哲学の森『驚くこころ』)の中の一篇に、こういう一節があった。

「夢の中の有無は有無ともに無なり。迷いの中の是非は是非ともに非なり」

夢で見たものは、夢の中で存在していようといなかろうと、結局は実在しないものだ。

迷っている最中に考えることは、そのときの気持ちの中で正しかろうと間違っていようと、結局は誤りだ。

…というほどの意味だろうか。

これまでの経験に照らせば、たしかにそんなことも言えるかもしれない、と思う。

ふと出会ったこんな言葉も、苦しい時の心を楽にしてくれる。

 

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