ミニコンポに合わせるスピーカーをSS-CS5にしました。
ミニコンポ用スピーカー選定の経緯
長年愛用中のビクターのミニコンポのスピーカーを、他のものに替えてみたらどうだろうと思いついたのは、2か月くらい前のこと。
1万円くらいの低予算で買えるスピーカーの中で、ヤマハのNS-BP200に定評があることは、何年も前から聞き及んでいました。
だから最初に候補にしたのもこのNS-BP200でした。
YouTubeでスピーカーのレビュー動画をいくつか試聴して、主にコスパの観点から高く評価されているのを確かめつつ、実際に綺麗な音の鳴るスピーカーだという印象も新たにしました。
他の1万円スピーカーも気になってくる
YouTubeを見ているうち、NS-BP200とは別に、もう少し小さめのデノンのSC-M41というスピーカーにも興味を持ちました。
値段はSC-M41のほうがやや高いですが、実売でどちらも1万円台前半です。
虚心に聴き比べると、デノンSC-M41は出てくる音にアタック感とメリハリを感じ、ヤマハNS-BP200はフラットに音が広がる印象です。
両者を比べて差分だけに注目してみれば、上記のそれぞれの好印象とはまた別に、デノンは幾分こもっているようにも感じるし、ヤマハには力感がないようにも感じられる。
流しっぱなしのBGMならヤマハがいいのかなと思うし、個々の音楽とじっくり向き合うならデノンだろうかとも思います。どちらもそれなりに良く、甲乙つけがたい。
ただ、デノンSC-M41は、今使っているビクターの付属スピーカーとキャラクターが似通っていて、買い替えてもあまり変わり映えがしないかもしれません。
ソニーSS-CS5は「置きやすい」ことも気に入った
動画をさらに漁っていると、今度はソニーのSS-CS5というスピーカーを見つけました。
まずいいなと思ったのは、このスピーカーはNS-BP200よりも奥行きが短く、設置する場所の自由度が高そうな点です。
私はスピーカーを出窓に置いていて、とくに奥行き方向にはスペースの制約があるのです。
NS-BP200は奥行きが287mmとかなり長いスピーカーで、そこが気になる点のひとつでした。
ソニーのSS-CS5は、音の出るユニットが前面に3つある3wayなのでそのぶん背は高いですが、奥行きは220mmと短く、出窓にも難なく置けそうでした。
NS-BP200よりも実売で1万円ほど値段が高いことは承知しつつ、これも購入候補になりました。
NS-BP200の上位互換としてのSS-CS5
YouTubeで視聴できる動画では、ソニーSS-CS5も、ヤマハNS-BP200と同傾向のすっきりした音に聞こえます。
しかし両者を聴き比べると、単にウーファーの口径が1cm違う以上に、全体的な音の出方に差があるようだと思いました。
SS-CS5は低域でも中高域でも鳴りに余裕があって、より大人で繊細、爽やかな印象さえあります。
両者ともハイレゾ対応を謳っているスピーカーですが、こちらはやはり3wayなだけはあるってことでしょうか。
AV Watchのレビューも読んでみました。(半分はアンプのレビューのような記事ですが。)
価格はソニーストアで27,500円、Amazonでは22000円ほどとなっていました。
NS-BP200より値段は高くなるけれど、それに見合うだけの魅力をSS-CS5に感じ、自分にできる買い物としてはこれがベストだなという考えが固まってきました。
真の上位互換・ヤマハNS-B330
さらなる欲といっていいのかどうなのか、もう少し上のグレードはどうだろう? と思って、一応の調査をしてみました。
ヤマハにおいては、NS-B330という実売4万円弱のスピーカーが、NS-BP200の上位互換にあたるようです。
動画を視聴すると、音の傾向もBP200とよく似ていますが、音場が広く、その内部で楽器の輪郭がよりはっきりと描かれて、一回り以上スケールが大きい感じです。
また、これとソニーのSS-CS5と比較しているのを聴けば、SS-CS5からさらにヴェールを1枚はいだようにくっきりしていて明瞭になっており、出てくる音も一段上なのを納得できます。値段も倍に近いだけはあります。
非常に良い音質のスピーカーであることは私の耳にも確かでしたが、ずいぶん予算オーバーなのと、見た目があまり気に入らないのと、こちらもやはり奥行きが長いことから、未練なくあきらめることができました。
NS-BP200・SC-M41・SS-CS5・NS-B330の比較
個人的事情をふまえた比較
上記の4点のスピーカーは、Amazonのカスタマーレビューでは、オーディオ経験が豊富そうな人たちの投稿も含めて、どれもほぼポジティブな称賛の声で埋まっていました。
だから値段はともかくとして、どれを買っても私などには音質面・性能面での後悔はないと思われますが、以下に各スピーカーの良い点と悪い点を整理してみます。
もちろん、私自身の好みや設置環境を前提とした、あくまで「私個人にとってのよい点・悪い点」ということなのでご了承ください。
※Amazonや楽天のレビューも参考までにご参照ください。
YAMAHA NS-BP200
- 良い点:値段が安い。対価格比で音がかなりいい。
- 悪い点:奥行きが長すぎて設置に難がある。見た目もいまひとつ。
DENON SC-M41
- 良い点:値段が安い。奥行きが短い。音にエネルギーとメリハリを感じる。黒の見た目はチェリーよりいいかも。
- 悪い点:今のミニコンポ付属のスピーカーから大きな変化がなさそう。
SONY SS-CS5
- 良い点:BP200より音がいい。今回検討した中で唯一の3way。奥行き短い。
- 悪い点:特になし。ケーブルは別売り。
YAMAHA NS-B330(参考)
- 良い点:音については一番印象がいい。
- 悪い点:予算オーバー。BP200ほどではないが奥行きも長い。ホーンツイーターの指向性が気になる。見た目は一番よくない。
SONY SS-CS5(ほぼ新品)をアウトレットで安く購入
SS-CS5に決定
2か月ほどの間ずっと目星をつけていたNS-BP200とは別に、一日でさらに3つの (予算の面から現実的には2つの)スピーカーが候補に上がり、ここから新たな迷いが生じるかといったところでしたが、実際にはさほど迷うことなく、ソニーのSS-CS5の購入に至りました。
ちょうどAmazonアウトレットで新品より3000円ほど安い出品があったので、それにしました。
(赤まるをつけた部分を開くと、新品最安値以外の出品を見ることができます。)
今回はマーケットプレイスの新品や中古のほかに、Amazon出品のアウトレットが2点出ていました。
このうち下の「ほぼ新品」ステータスのものを買いました。
Amazon.co.jp: ソニー スピーカーシステム 3ウェイ(2台1組) SS-CS5
新スピーカーSS-CS5が到着
スピーカーは注文から数日後に到着しました。
箱には検品済みのシールが貼ってありました。
アウトレット品なので上面のテープの部分には一度開梱したあとがあります。
今回の記事とは関係ありませんが、私はカメラの防湿庫などもAmazonアウトレットで買ったことがあります。たしか外装に傷があるとかいう理由で安くなっていたのですが、どこに傷があるのか私にはわかりませんでしたし、本体は新品そのものに見えました。買ったのはもう8年くらい前になりますが、使用するうえで何の問題もなく、今でも元気に稼働し続けています。
話をスピーカーに戻して、わくわくしながらダンボールを開けると、スピーカーは1本ずつウレタンの袋(?)に包んだうえで上下から発泡スチロールにはめ込まれているような専用梱包でした。箱とスピーカーは接触していませんし、左右のスピーカー同士も接していません。
このような梱包ならば、輸送中、仮に外部から何か角のあるものがぶつかっても、それが直接スピーカーまで達することはないですね。いつか再梱包するときのために、梱包資材は捨てずに箱に入れてそのまま取ってあります。
新品に見える
スピーカーには、人の手に触れたような痕跡は見当たりませんでした。
むしろ私が触ったせいで初めて汚れる、といったまっさらな状態です。
スピーカー以外に入っていたのは、各国語の説明書・保証書(記入なし)・ゴム足でした。
ゴム足は、シールのついた約1cm角のものが8つ。接地面とのスレ傷防止用といったところでしょうか。とても薄く、音質面への寄与はほとんどないものだと思います。もし必要ならあとでインシュレーターを検討するかもしれません。
上から見るとほぼ正方形でした。奥行きの短さがありがたいです。
サランネットを外した姿もいい感じですが、今は付けたままにしています。
ケーブルをつないで最初の音出し!
スピーカーケーブルは、安価で評判も安定しているカナレの4S6Gにしました。
サウンドハウスでは200円/mで送料550円。Amazonでは408円/mで送料無料。
合計2mまではAmazonが安かったので、そちらで2m購入しました。
Amazon | CANARE カナレ 4S6G OFC無酸素銅線 黒 スピーカーケーブル m/切り売り
最初にCDをかけての第一印象は、「音が近いな!」でした。
Audrey - Live in Toronto 1975
小ぢんまりしたクラブでのインティメイトなライブ録音が、ビクターのスピーカーで聴いていたときより、もっと近くで聴いているように感じます。背景で観客が立てる小さな音も、ひとつひとつのつぶつぶがこれまで以上にはっきり聴こえました。
IN CAFE
今回最も感動したのが「ピアノの音」です。とくにピアノの「高い」「小さい」繊細な音の弾け方です。ベタな表現かもしれませんが「きらめき」などといってしまいましょう。そうした高域の音が本当に体感として気持ちよく、心地よいのです。音楽表現とはまた別の意味で、純粋に音を聞くだけの快楽があります。
振り返って比べてみれば、これまで聴いていたビクターの音は暖色でどっしりしていたものだったのだなと思います。
ブロムシュテット/モーツァルト: 交響曲第40番・41番
低音もかなり出るので、交響曲はスケールが大きくなって迫力が増し、スピーカーと自分の間にあった空気が半分に減ったような感じで、CDってこんなにいい音で記録されていたのかと感心したりしています。
ゴージャスすぎて却って落ち着かないので、スピーカーを少し内側に向けてみると、音にまとまりが出てきたようです。
これまでずっとオンにしていたコンポのBASSというボタンはオフにして、低音を減らしました。コンポの付属スピーカーは容積もずっと小さかったので低音増強が必須でしたが、SS-CS5にはフラットな出力でもちょうどよくなりました。
カントロフ / パガニーニ : ヴァイオリン協奏曲第1番・第2番
ヴァイオリンソロの弦の音は、ビクターの甘さもよかったけれど、こちらの明澄な雰囲気もまたいい。
インクレディブル・ジャズ・ギター
ウェス・モンゴメリーのエアジンはギターがなにかこもって聞こえ、元々こんな録音なのだろうかと怪しんでいます。このCDにはおっとりしたビクターのスピーカーのほうがフィットしていたのかも。
次はウォークマンに入っている音源を聴いてみました。3.5mmジャックからコンポにケーブルでアナログ接続です。
Apple Venus Vol. 1
クラシックもよかったのですが、これまで聴いていたのと一番印象が変わったのがXTCのこのアルバムでした。少しとっつきにくい、風変わりな曲が並んでいるのですが、新しいスピーカーで久しぶりに聴いてみると、曲調というよりは新たに経験する音色の体感といった部分でしみじみ浸ることができ、こんないい作品だったのかと認識を新たにしました。
ただウォークマンからBluetoothをもたない20年物の古いコンポまで、長いアナログケーブルでつないでいるせいか、手持ちのデジタル音源の再生はCDと比べるとどれも音がいくらか大人しくなってしまいました。このコンポでも、CDから直ならもっと気持ちいい音で鳴るはずです。こうなると一旦デジタル化した音源についても、仕舞ってあるCDを掘り出してこなければなりません。
ビクターの小さいスピーカーではこうしたことには気が付かなかったのですが、スピーカーを変えて解像度が上がったことにより、音源の忠実再生度やディスクの録音の良しあしが感知できるようになったともいえそうです。
さて、SS-CS5はざっとひとまとめに言って、「人が綺麗と感じる音をさらに綺麗に聴かせる」スピーカーでした。それがこのスピーカーに対する私の第一印象です。
今の段階では、まだまだ手持ちの音源のごく一部しか聴いていませんので、今後が楽しみで仕方ありません。