沖縄で中古車を選んでいると、他府県ではあまり使われていない用語に接することがある。
県内で古くから使われている業界用語というか、スラングのようなものだ。
しかしこれは、初めて中古車を買おうという人にはその意味するところがなかなか伝わりにくい。
沖縄の中古車屋の独特な表現
ベース車
中古車サイトで地域を沖縄県に絞り込んで、車を安いほうから順に並べ替えると、「ベース」という但し書きの付いた車名がずらりと並ぶ。
これはその車種における「ベースグレード」という意味かとおもったらそうではなくて、販売にあたって特に整備していない車のことらしい。
安値で売るけど、わかる人が自分で手を入れて乗ってねという販売方式で、車検が残ってないこともしばしばある。
部品取りとかレース用とかならこういう売り方もありだけど、検索では結構数多く出てくるので、使い道はいろいろとあるのかもしれない。
他府県ではこういう状態で車を売る場合「現状販売」とかいうのが一般的かもしれない。「ベース」という呼び名があるとすれば、せいぜいカスタムベースという意味合いで局所的に使われているくらいではないだろうか?
現場号
ほかに「現場号」という呼び方もある。
要は建設や各種作業の現場に要員や道具を乗せて運ぶための車のことなんだけど、ハイエースから軽トラ、ミニキャブのような車によく使われている。現場号。沖縄らしい呼び方だと思う。
ぼくも軽ワゴン的な現場号が1台欲しい。
「修復歴あり」にも積極的
ほかにも気づいたことの一つに、沖縄の中古車販売では「修復歴あり」の車にもわりと積極的なのではないかということがある。
中古車サイトで「修復歴なし」のチェックを入れると、総台数がぐっと下がったりする。
検証として、カーセンサーのサイトで修復歴なし車の割合を他府県と比べてみた。
修復歴なしの割合は、沖縄県の場合6824台中5430台だった。約80パーセントだ。つまりサイトに掲載されているうちのおよそ2割が修復歴ありということになる。これは思ったよりだいぶ多いな。それだけ需要もあるに違いない。
これが登録台数が近い長野県や愛媛県では、どちらもおよそ95パーセントが修復歴なしだった。
全国だと約92パーセント、沖縄と同様に車に厳しい環境と思われる北海道でも約88パーセントは修復歴なしという結果が出たので、やはり沖縄の「歴あり」車の取り扱いの比率は高いようだ。訳アリの車が全国から流れ着いているのだろうか。
値段が安いかといえば
だからといって中古車の値段が安いかといえば、そんなことはなく、全体的にはむしろ高い。全国版の中古車サイトを使って特定の車種の購入を検討していれば自ずと明らかだ。
この車種でこの年式・走行距離なら、他府県ではもう少し安いはずなのに、と感じることは少なくない。
中古車天国
沖縄は地理的・社会的構造から新車より中古車ばかりが好まれて長い間中古車天国と言われてきたけれど、むしろ別の意味でも、「(年を経た中古車が最後に行き着く先としての)天国」になっているのかもしれない。