前回のやすり掛けですべすべになったパイン集成材のテーブル天板に、つや消しニスを塗った。
これから小物撮影用の台として、また、折り畳みいすに載せるなどして、作業台の拡張スペースとして使っていく。
パイン集成材に「つや消しクリヤー」の水性ウレタンニスを塗る
買ってきたのは、ワシン(和信)の水性ウレタンニスつや消しクリヤー屋内木部用。
この過不足ない商品名で、別の種類のものと間違うことなく欲しいものが買えた。
油性ではなく水性、水性ニスではなく水性ウレタンニス、つやありではなくつやなし。それぞれ意図した理由があるので、その違いも書いておきたい。
油性ニスより水性ニスが初心者向き
今回買った水性ウレタンニスは、初心者にも扱うのが易しく、匂いも少ないので作業性がいい。屋内で塗装できる。
固まったあとの塗膜の強さは油性のほうが勝るけれど、家の中で小物をのせるくらいの用途であれば、この水性でも問題ない。
屋外に置いたり、床など塗装面に加重のかかる場所を塗ったりするのでなければ、水性がおすすめだ。一度乾けば水にも強い。
水性「ウレタン」ニスを選ぶ理由
今回使ったのはウレタンニスだけれど、単に水性ニスという場合は、一般的に水性「アクリル」ニスを指すそうだ。
この水性アクリルニスは、塗りやすい特長があるが塗膜の丈夫さではやや劣り、乾いたあとも多少柔らかさが残る。観賞用の工芸作品などの仕上げに向いているニスだ。
水性ウレタンニスは、(油性ニスには劣るものの)アクリルニスよりも硬質の塗膜を得ることができ、実用品としての木工製品にも適している。
テーブル天板を塗るなら、この水性ウレタンニスを選べば間違いない。
つやありよりもつや消しを選んだ
小物撮影用の台として使いたいので、照明の反射を抑えられるつや消しを選んだ。
ちょうど店頭にもつやあり(透明クリヤー)とつや消しクリヤーを塗った木片のメーカーサンプルがあったのだけど、それを見てもつや消しのほうがよさそうだと感じた。
つや消しのほうは一見なにも塗ってないかのような見た目と手触りだ。
それに対してつやありのほうは、木の表面に薄くビニールを貼ったようにピカピカになり、同じ無色の水性ウレタンニスでも光沢の差は大きかった。
ワックスをかけたような質感を得たいなら、つやありでもいいと思う。
刷毛もトレーも間に合わせ
刷毛はダイソーのジョイントマットを切って作る
ニスを塗るのに、当初はコテバケを使いたいと思っていたのだけど、ホームセンターで値段を見たら案外高く、使うのは今回だけだし買わなくてもいいかと思い、次善のプランとして用意していた「ふわふわボアジョイントマット」(ダイソー)の代用で済ませることにした。
1枚100円+税で刷毛が6つくらい作れるし、毛も細かくて塗りの仕上がりも悪くない。
ポイントは適当なサイズに切ったあと、切り口から抜ける毛をきちんと抜いてから使うこと。カーペット用のコロコロを毛が抜けなくなるまで転がすとよい。
トレーは引き出しを利用
ニスを入れるトレーは、A4書類ケースの引き出しを抜いてレジ袋をかぶせたものを使った。
塗装が終ったら裏返して刷毛を入れて捨てればいいので、片づけが楽だ。
水で薄めずに原液のまま薄く二度塗り
ワシンの水性ウレタンニスは、ニスが固ければ水で薄めることができる。でもボトルから出したままでスムーズに塗ることができた。
一度塗った段階でわずかな光沢が出ていたが、乾くにしたがって収まっていった。塗る前と比べてしっとりした落ち着きが出た印象だ。
ふわふわボアジョイントマットで作った手製の刷毛はニスをたっぷり吸いこみ、適度な弾力もあってとても塗りやすい。
乾いてから手で触ってみると、塗膜のすべすべしたところと板の質感が残っているところが混在していて、まだ塗りが足りないような感じ。塗料で湿ったことで、表面の毛羽が立ってきたのかもしれない。
やすりをかけてから二度塗り
600番の紙やすりで軽く撫でて手触りをすべすべにしてから、もう一度ニスを塗った。
きれいに塗って乾いてきたところにもう一度刷毛を滑らせたら、半乾きの塗面と刷毛がビビッてムラができてしまった。角度によっては鯖雲みたいな模様になっているのがわかる。
これはやすりである程度落とせると思うけれど、塗料はたっぷり、そして十分ゆるくないときれいに塗れないことを学習した。
塗った直後は光を反射するが、乾くと落ち着く。
乾くと硬質のつやなし塗膜になる
水性ウレタンニスは、乾くと固まって材の表面を保護してくれる。
水性アクリルニスだと乾いたあともいくらか柔らかさが残るようだ。ずいぶん前に使ったダイソーの色付きニスはアクリルニスのようで、いまだに表面がもっちりしたままだ。置いたものに色がうつるということはないけれど、本などは置きっぱなしにはしたくない感じ。
今回使ったのはウレタンニスなので、表面がもっちりすることもなく、つるつる・すべすべになっている。
爪で叩くと塗った面はカツカツ、塗ってない裏側はコンコンという音がして、なるほどギター製作を趣味にする人が塗料にこだわるのもわかる気がする。
最終的なつやの状態は天井の照明を全く反射しない程度で、期待通り。板の上に電球を置くとそれなりに反射するけれど、それも目で見えているほどには、写真には写らないようだ。
ニスは多めに用意したほうがいい
今回塗った板は約0.41平米で、ワシンの水性ウレタンニス透明クリヤー130mlのラベル表示のめやすから計算すると、2回塗りなら3~4回程度塗れる計算になる。
しかし今回二度塗りした結果、ボトルの4割くらいしか残らなかったので、僕の塗りかたでは二度塗り×2回がせいぜいだろう。
刷毛に取られた分が多いのかもしれないが、次回以降の機会があれば、ニスは多めに用意したほうがいいと思った。
緑色と水色のパッケージ
ワシンの水性ウレタンニスつや消しクリヤー屋内木部用は、現在ショッピングサイトによって、同じ製品の商品画像がこの記事で使ったのと同じ緑色キャップのボトルだったり、水色キャップのボトルだったりしている。
Amazonでは水色キャップの商品画像を掲載しているが、そこで新しいのを買ったら、やっぱりホムセンで買ったのと同じ緑色キャップの商品が来たので、現在は新旧パッケージが混在しているもようだ。