『日本ネーミング年鑑』という本を買った。1980年代から90年代前半にかけての、商品やサービスの「名称」が山盛りに満載されている本だ。
様々なジャンルの商品名そのものもさることながら、いまも売っている定番商品の当時のパッケージを見たり、うっすら記憶にある商品を思い出したりできるのが楽しいと思った。
ジャンル横断的なネーミング図鑑だった
お菓子からプロ野球マスコットまで
この本にはあらゆるジャンルの「名前」が網羅されている。
80年代から90年代という、日本の経済に活気のあったころに登場した製品が多いので、商品名としては突飛なものも結構あって面白い。
パイナップルの輪切りが載っているコンビニアイス(?)「果実館」など、商品そのものにも、名称に劣らず興味深いものがある。
80年代より登場が古い商品もけっこう載っていて、昔からあるあの青い箱のクッキーはムーンライトというのか、などとあらためて知ったり。
「でっ」というラムネ飲料。
これなんて長く売れ続けそうにはあまり思えない名前だけど、次から次へ新商品が出てくる時代だったからかネーミングにも勢いがある。
お菓子、アイス、そして名前だけは聞き覚えがあるが食べたことはないカップラーメンなどなど、どれも時代を感じさせる。
「青春という名のラーメン」は斉藤由貴さんが出ていたCMをなんとなく覚えている。
黒糖のお菓子「ちょっちゅね」は八重山地方の方言ではなくて、ボクシング世界王者の具志堅用高さんがインタビューで「そうですね…」といったのを、コメディアンの片岡鶴太郎さんが茶化してギャグにしたのが始まり。
プレーンのものや、ピーナッツを黒糖でコーティングしたものもある。
G-SHOCKは学生の時にしていました。
おもちゃ、オーディオ、車、バイク、雑誌名、ゲームソフト、曲のタイトルから、マクドナルドのハンバーガーの名前、プロ野球チームのマスコットの名前といった、本当にありとあらゆるジャンルのネーミングを掲載している。
「目の付けどころが、シャープでしょ。」といった企業PR用のフレーズあり、「ワーズワースの庭で」のようなテレビ番組名あり、ビルの名前あり、産業用機械の名前、UFO仮面ヤキソバンに至るまで、ジャンルを横断した商品図鑑にもなっている。
眺めていると、シャーペンの芯は確かにこんなパッケージだったなあなんて、微妙な記憶を終始くすぐられる。
魅惑の紅茶とかアパレピオとか、あったような気もする程度に覚えている(覚えていない)商品もある。
「IMO」はさくらももこさんのエッセイにも出てきて印象的だった珍飲料だ。揶揄ではなく、よくこんなものを作れたものだと感心する。
90年代の初めごろにジャズインというスパークリング紅茶があって、ぼくはわりと好んでいたのだけど、不人気だったようですぐに消えてしまった。そのジャズインは載っていなかった。
デカビタCの手前の菓子っぽいのは何だろうか。
お店で売っている種苗のネーミングにも、そういえば変わったのがたくさんある。
80年代の朝ドラの主人公おしんは、大根めしはもう嫌だと言っていたんじゃなかったかな。
「あいまいな自然主義」「重たいラブソング」「午前0時の森林浴」これは何かというと、カクテルの名前。
資生堂ウーノ。ぼくは学生の頃、このウーノのヘアスプレーを使っていた。
写真の真ん中の白いボトルがそれで、この製品以上にぼさぼさの髪の毛をべたつきゼロですっきりまとめてくれる製品には、その後お目にかかったことがない。
ほかにも、クリネックスってこんなパッケージだったなとか、にこにこうんちロールってどんなネーミングよとか、眺めているだけで面白かった。
高校生のころに買って20代半ばまで使っていた重低音ラジカセの写真も出てきて、とても懐かしい。
昭和からバブルにかけての店頭の雰囲気までもが甦ってくるような気がする。