英語多読4か月目になる今月は、Kindle本の児童書と、ラダーシリーズのレベル4を中心に読んでいった。
ラダーシリーズのレベル3
オペラ座の怪人
『オペラ座の怪人』は、これまでに読んできたレベル3のなかでいちばん易しく感じた。
英文は、文の構造も単語も易しい。多少戸惑うところがあるとすれば、フランス人の名前の読み方があやふやなくらい。だから速読にも向いているだろう。
ストーリーは映画を見ているようで、章立ても短い章で区切られているので、隙間時間にどんどん読むことができた。この本はレベル3の最初のあたりで読むべき本だった。
風と共に去りぬ
これまで読んできたラダーシリーズの中では、レベル2以下のものも含めて、一番厚くて語数も多い。
しかし厚いとはいえ、全部で48章もあり、章あたりの長さは短いものだと2ページ、長くても6,7ページといったところだ。
見た目に反して一つ一つのチャプターがとても短いので、想像よりずっと読み進めやすい本だった。
また一つ一つの文も短い単文がほとんど。ぼくはこの本をレベル3の総仕上げ的に位置づけていたので、けっこう肩透かしを食ったくらい易しかった。
難易度はレベル2でもべつに違和感はないし、日本語のあらすじまで付いている。名作を英語で一冊読みとおしたという自信をつけるには、うってつけの本だと思う。
このあたりで多読の累計語数も目標の半分となる50万語を超えた。ここからは、ラダーシリーズのレベル4を読んでいった。
ラダーシリーズのレベル4
スティーブ・ジョブズ・ストーリー
レベル4に進んだ。その手始めにこの本を選んだのは、先月読んだマイケル・ジャクソンの伝記がそうだったように、「伝記ものは一貫して事実ベースで語られていて読みやすい」という目算から。
思ったとおり難易度は低く、巻末の単語を見ることもほとんどなく読み終えることができた。
のちにピクサーとなるルーカスフィルムのコンピュータ部門をジョブズが買うことができたのは、ジョージ・ルーカスが離婚のためにお金が必要だったから…という話は面白かった。そんなことがあったのか。
グレート・ギャツビー
次に読んだのは『グレート・ギャツビー』。難しい単語はほとんど使われていないにもかかわらず、ジョブズの伝記ほどにはすらすら読めない。小説は伝記とは違って、過去の場面や個々の人物の思惑にも依存する、多様な内容の文で構成されているからだろうか。
でもそれだけに、これまでに読んできたラダーシリーズのなかでも、文芸作品に接している感覚をとくに強く味わえる本だった。
難易度の参考として、Kindle本で0円だった原著のほうもダウンロードし、最初のほうを読んでみた。読めないことはなさそうだけど、こちらはラダーシリーズよりじっくり腰を据えて読む必要がありそうだ。100万語を終えたあとに挑戦してみたい。
センター英語の長文を読もう
センター試験で過去に出題された41の文章が収録されている。全体に難易度も低く、面白味も薄めの文章が多くて、淡々と読み終える。その中で小説風の文章はまあまあ面白く、どんな設問があったのかも知りたくなった。
この本では初っ端からTHEの2連発などを発見してしまうなどした。
本番の試験問題ではなく、本にする過程で起きたミスだと思いたい。
アメリカに行こう Get to Know the USA(Vol.1)
多様な環境とカルチャーの入り混じるアメリカという国。そこで暮らす人々の姿を、日本生まれの著者が、トピックごとに様々な側面から概観していく一冊。
年間の祝日や宗教をはじめ、州と連邦の法律の違い、さらに交通機関の上手な使い方だとか、各種レストランのスタイルの違いなど、旅行の前に読んでおくと堅実なプランが組み立てられそうな情報も詰まっていた。
文章に難単語はほとんどなく、一定のトーンで具体的な情報が過不足なく盛り込まれているストレートな文章なので、小説やセンター試験の論説文よりもかなり速く読めた。速読にも向いていると思う。
高慢と偏見
翻訳で読んだことはあったけど、思ってたよりずっと古い小説だった。1813年刊行。
とはいえ、現在、恋愛小説として読んでみて、古色蒼然とした感じは全然しない。近ごろ盛んに映画化されているのもその証左だろう。(ぼくはこの作品の映画版は見たことがないけれど、『ジェイン・オースティンの読書会』は良かった記憶があります。)
このラダーシリーズ版を読んでいると、ちょいちょい前に読んだときのイメージと違う部分が出てくる。日本語訳を引っ張り出してきて読み比べたら、原作にはない表現を使ってけっこう自由に内容をまとめていることがわかった。
推定12万語ほどもある原作のボリュームをざっくり1万9000語まで削っているので、キャラクターの内面も言動も単純化される傾向だ。
本文は31の短いパートに別れている。隙間時間に読んでいるうちに、あっという間に読み終えてしまった。
シェイクスピア四大悲劇
ハムレット、オセロー、リア王、マクベスをそれぞれ短編小説の形式で収録している。
昔、学生の頃だったか、福田恒存訳で読んで(読もうとして)ほっぽり出したままだったシェイクスピア作品。完訳された日本語の戯曲よりも、易しい英語の小説として読むほうが圧倒的にわかりやすい。これらのストーリーを初めて把握できた。
でも元のラム姉弟版から相当に圧縮はしているようで、『リア王』は急ぎ足で終わってしまうし、『ハムレット』にはあの有名なセリフがない。小説集というよりは「四大悲劇あらすじ集」といったほうが適切かもしれない。
アメリカに住もう Get to Know the USA(Vol.2)
『アメリカに行こう』の姉妹編。
住居の選び方から医療のシステム、子どもの友達のお泊り会でどんな食事を用意したらよいかに至るまで、『アメリカに行こう』よりさらに日常に密着したアメリカの人々のライフスタイルが紹介されている。
『アメリカに行こう』より難しい単語が多く出てきたが、内容に関心があれば面白く読める。
また著者が日本生まれなので、日本ではこうだけどアメリカではこう、というような比較も文章の中に多いし、日本では一般にこういうふうに思われているけど案外こんな感じだよ、というようなコラムも織り交ぜられている。
米国では鶏のムネ肉よりモモ肉が安いというのは驚きだし、羨ましい。「刻み玉葱入りのツナマヨのサンドイッチ」も食べてみたい。
ローカーボダイエットの流行がドーナツチェーンの株価を直撃したという話も面白かった。(感想が食べ物の話ばかりだ。)
罪と罰
期待してレベル4の最後にとっておいた『罪と罰』。これまでに読んできたラダーシリーズのなかでは、英文も作品自体も読解レベルが高めだった。
””(二重引用符)が誰のセリフなのか指示が少なくて分かりづらいので、話の脈絡をつかみそこねて、会話文でひっかかることがしばしばだった。また、キャラクターが名前で呼ばれることと父称で呼ばれることが混在する。これは過去にどれかドストエフスキーの小説を日本語で読んだことがあれば、まごつかずにすむだろう。
この本の特徴としては、「簡単な単語を使った難しい熟語」が、地の文・会話文ともに頻繁に出てくる。小説そのものの特徴を抜きにしても、英文自体がレベル4のなかでも難しめになっているので、読みごたえはあった。
あと、1か所気になったのはここ。
Do think you could love me?
こういう主語の省略って見たことがない。(一応意味は推測できるので、間違っていると言い切る自信もまたない。)
今月読んだKindle本
ラダーシリーズと並行して、Kindle本を購入してPCのブラウザで読んだ。
エルマーのぼうけん
Kindle本で読んだ。子どもの頃に日本語版を読んだこともなかったので、今回が人生で初読だ。
児童書だから文章も簡単だろうと思いきや、ラダーシリーズのレベル3の平均か、それ以上の難易度はあった。並行して読んでいた『風と共に去りぬ』ほどには速く読めなかった。
星の王子さま
むかし日本語で読んだときにも思ったことだけど、意外にボリュームがある『星の王子さま』。
日本語で読むとふんわり読み流してしまっていたような部分が、英語だと、ある脈絡の中であらためて明確に理解される感覚がある。
キツネとの会話などは、日本語で読んだときにはその含意するところがよくわかっていなかったと思う。今回読んでみて、たしかに『人間の土地』などと通じ合う部分があるなと思った。
ちなみに『南方郵便機』は英語版のタイトルが『Southern Mail』で『夜間飛行』が『Night Flight』だ。そして『人間の土地』は『Wind, Sand and Stars』だそうだ。
英語多読4か月目のまとめ
累計語数
今月は100万語までの道のりの半分を折り返し、後半に入った。
4か月目:約22万4000語
累計:70万6000語
ラダーシリーズはレベル4になってもあまり難しくなった感じがしてこなくて、英文読解の力が上がっているのかどうか心もとない部分があったけれど、いったん通読して内容を把握してからもう一度最初から再読すると、すごいスピードで読める。
読んでいるのではなくて「思い出している」のかもしれないけれど、なにはともあれ、これまでに70万語程度よんできて、自分でも知らないうちにある種の上達は果たしているようだ。
来月はラダーシリーズのレベル5と、講談社英語文庫を中心に読んでいく予定。