英語多読の素材として、講談社から出ているルビーブックスの本を数冊購入した。
英語本文の下に、ところどころ、すこし薄い字で単語や表現を日本語訳したルビ(振り仮名)が振ってあるのが特徴だ。
このスタイルを「ルビ訳」と呼ぶらしい。
既存の人気作品を英語学習用に工夫したこうした書籍はいくつかの出版社から出ていて、たとえばラダーシリーズでは本文そのものが易しく書き直されているし、講談社英語文庫の場合には原著そのままの文章で、巻末に単語と表現の和訳が載っている。
このルビーブックスの作品は、意味がわからない単語や表現をいちいち後ろのページと行ったり来たりして確認する必要がないのが長所といえる。
このページでは、手元にあるルビーブックスの数冊を紹介したい。
ルビ訳・講談社ルビーブックスを読んでみた
アルジャーノンに花束を
ダニエル・キイスの『アルジャーノンに花束を』。
この表紙は旧版のもので、いま出ているタイトルは順次現代風のスタイリッシュな装丁に変わっているようだ。
本のサイズは新書判より少しだけ大きめ。指1本ぶんほど背が高く、幅も少し広い。
ぼくはこの小説をずっと昔に邦訳を読んで、序盤と結末以外はほとんど何も覚えていない。
どんどん賢くなっていくチャーリィのつづる「経過報告書」は、日本語訳だと最初のうち「けえかほおこく」(だっけ?)と訳されていたけど、原文では「progris riport」なのだった。そしてその下にルビとして「Progress Report」と正しいつづりが振られている。
チャーリィは「didn't」を「dint」、「contribution」を「contribyushun」と書いていて、たしかに耳で聴くとそんなふうに聞こえると思ったりした。
華麗なるギャツビー
『華麗なるギャツビー』は、ラダーシリーズから『グレート・ギャツビー』のタイトルで出ているのを過去に読んでいる。
こんどはリトールド版でなく、原著の文章そのものに挑戦しようと購入した。
その冒頭部。こんな感じでルビが付けられている。
最初のうちは日本語訳がちらつくようにも思ったけれど、内容に集中していければ邪魔になるというほどでもないようだ。
『ギャツビー』の導入部は英文がちょっと込み入っていて、他のページや他の本と比べ、ややルビの密度が濃いかもしれない。平均的には、もう少しまばらにルビが振られていると感じる。
セブン
映画が衝撃的だったセブンも英語で読んでみよう。
これは原作ではなく、ノベライズらしい。映画のタイトルではほかに『アルマゲドン』があるのを確認した。
ティファニーで朝食を
トルーマン・カポーティの『ティファニーで朝食を』は、日本語でも未読だし映画も見ていない。
ルビーブックスはラダーシリーズと比べると、文字組みがやや細かい。ルビもさらに小さいので、老眼の場合、ちょっときついのかもしれない。
今回買った数冊の中ではこの本が一番薄くてページあたりの行数も少なく、ゆったり組まれている。短い時間で読めそう。
初秋
昔からタイトルだけは聞いたことがあって読もうと思っていた『初秋』。
ロバート・B・パーカーの作品で最初に読むならこの本がおすすめ、ということらしいです。
いきなり英語版に挑戦だけど、ルビがあるから大丈夫でしょう。
公式ページがない
ルビーブックスの収録タイトルはラダーシリーズやその他の英語作品シリーズともけっこう重なっている。
今回購入したほかにも、オリエント急行殺人事件やシャーロック・ホームズシリーズなど、90年代に発刊された当時の不朽の名作群がいろいろあるようだ。
個人的には金田一少年の事件簿を読んでみたい。
講談社の公式ページがなぜか見つからない。そういえば英語文庫も公式サイトがなかったっけ。なので、下のリンクはAmazonで検索したルビーブックスのページです。