スーパーで売っている御菓子御殿のこんぺんを食べた。いやこれも美味しかった。
こんぺんとは
白あんの饅頭型焼菓子で、くんぺんと表記されている商品もある。琉球のお菓子。
餡には砕いたピーナッツが入っている、または練り込んであってその風味がする。胡麻が入っていることもあり、その場合は胡麻のキュッとした食感も特徴のひとつになる。
…というのが一般的な理解だと思う。
しかし今回ブログに書いて残そうと思ったのは、今回のこんぺんが昔食べたときの印象とずいぶん違ったからだ。
僕がこれまでイメージしていたこんぺん
むかしのこんぺんはガワの部分にも餡の部分にもしっかりした固さがあって、食べようとすると小さなかけらがぽろぽろこぼれるものだった。
おばさんたちが好むお茶うけで、味も単純ではなく、子どもにとっては、ほかの市販のお菓子と比べれば引きの弱い存在だった。
そんなところは、以前書いたナントゥーとも似通っている。
こんぺんもまた洗練を加えてきているのだった
今回食べたのは御菓子御殿の「沖縄伝統菓子こんぺん」。落花生の絵のパッケージで、1個100円。
手に取った感じがまず柔らかい。僕の知ってるこんぺんと違う。
実に素朴な見た目である。
数年ぶりだか十数年ぶりに食べてみると、思ったよりふわふわと柔らかくて、しろあんの口解けの中にピーナッツの味がほんのりしてとてもおいしい。僕が積極的には食べる気をおこさなかったこの10年かそこらの間に、たぶん製法が変わっていると思う。
沖縄のお菓子に限らず、市販の饅頭のあんこに水あめがたっぷり入るようになったのは21世紀に入ってからではないかな。
しかし食べてるうちにぽろぽろこぼれるのは昔もいまも同じだった。こんぺんたるものこうでなければ。
でもこれ1個は多いな。直径約8.5cm。これだけボリュームがあると、カロリー補給食みたいな性格もでてくる。カロリーは244kcal。
そういえばおばさんたちはお茶を飲みながら小さく割って食べては置き、食べては置きして小半日かけて食べていた。一回り小さいミニこんぺんがあったら、僕はそっちを買うかも。
昔の甘味がしっくりくるようになった。
去年か一昨年の鏡開きの時に、あまがしのぜんざいを初めておいしいと思った。押し麦と金時豆のぜんざい。子どもの頃はすきではなく、人生の後半になってから食べられるようになった甘味のうちのひとつだ。小さく切って焦げ目をつけた餅を入れて食べたのだけど、お汁粉とはまた違う甘味のおもむきがあった。
これは野菜がおいしいと感じるようになったのと同じ経緯で、僕自身が大人の味覚を味わえるようになったのかもしれないし、単純に市販の製品がどれも万人向けになってきているのかもしれないし、その中間で、僕の味覚と製品の味が時間をかけてお互いに歩み寄って、手を取り合うときがきたのかもしれない。