ダイソーとコクヨのB5ルーズリーフ比較・万年筆編

ダイソー コクヨ ルーズリーフ B5

いま手元に2種類のルーズリーフがある。

ダイソーとコクヨのもので、どちらもB5のA罫だ。

先に使っていたのはダイソー。それが切れる前にと思って、今回コクヨの「キャンパスルーズリーフ さらさら書ける」を買い足した。

コクヨならばさすがに100均より品質的に上なんだろうと思ってたんだけど、万年筆で字を書いて双方を比較してみたら、いやいや案外ダイソーにもいいところがあった。

とくに万年筆派は、ダイソーも選択肢に入れるとよいと思う。

(「万年筆編」というタイトルにしたけど、「鉛筆編」とか「ボールペン編」の予定はいまのところありません。この記事だけ。)

それではコクヨとダイソーのB5ルーズリーフ比較、いってみよう!

コクヨとダイソーのルーズリーフ比較

サイズについて

今回のルーズリーフのサイズはB5。

(ご存じの方には読み飛ばしてもらいたいけれど、)まず元となるA版とB版という大きな2種類の紙があって、その紙を半分に切るとそれぞれA1、B1という紙の大きさになる。

さらにそれを半分にすると、A2、B2というふうになり、要するに数字が増えるにつれてだんだんサイズも小さくなっていくわけだ。

つまりA4はもともとのA版(A0)を半分に切るのを4回繰り返した大きさで、B5はB版(B0)の紙を半分にするのを5回繰り返したサイズということになる。

一般的にノートやルーズリーフとしてよく使われているのは、A4、B5、A5あたりだろうか。

A4はレポート用紙などによく使われている。

今回比較しているのはB5サイズ。一般的ないわゆる大学ノートがこのB5で、ノートやルーズリーフの商品数も多い。

A5はそれよりコンパクトで、情報量を犠牲にせず、持ち運びもしやすい大きさ。

もっと小さめのB6ノートもあるし、文庫本と同じ大きさのメモ帳や手帳は、A6にあたるサイズだ。

大きい>A4>B5>A5>B6>小さい

A版とB版のサイズは、大きいほうから並べるとこんなふうにAとBが交互に並ぶ。

 

B5・A5・B6比較

画像の左から、B5、A5、B6サイズ。

B6は、B5の半分の大きさになる。

A罫とB罫の違い

A版・B版の話をしたあとでややこしいけど、紙の大きさとはまた別に、1行の幅を示すA・Bもある。

それがA罫とB罫だ。

罫線の間隔が7mm幅のものをA罫、そして6mm幅のものをB罫と呼んでいる。

ほかの罫線もあるけど一般的によく使われているのはこの二種類だ。

A罫とB罫

左が6mm幅のB罫、右が7mm幅のA罫だ。

6mmと7mmでは数字の上ではわずか1mmの差だけれども、実際に文字を書いてみるとかなり違うことがわかる。

ぼくの場合だと、B罫は、1行おきに書くのでないと狭すぎると感じる。画数の多い漢字を万年筆で書くと、細部が潰れがちでもある。だからA罫。

でもAmazonの品ぞろえなどを眺めるとB罫のほうに商品点数が多く、人気があるような印象なので、若い人には6mm幅が使いやすいのかもしれない。

それぞれの検索結果へのリンクを置いておこう。ぼくはおっちょこちょいなので、ルーズリーフを選ぶ時にはA罫とB罫をよく間違いそうになることがある。

Amazon.co.jp:ルーズリーフ 7mm

Amazon.co.jp:ルーズリーフ 6mm

 

B5のルーズリーフでは、レイアウトにもよるけれどもA罫は1ページに31行、B罫は36行くらいになる。

 

ダイソー・コクヨ一枚当たりの単価比較

ダイソーは90枚110円。すなわち1枚あたり1.22円。

コクヨはAmazonで150枚386円だったので(実店舗ではもっと安いかもしれない)、1枚あたり2.57円になる。

おおよそ2倍の価格差があった。ダイソールーズリーフのコストパフォーマンスは高い。

まあその分、薄かったりするわけだけど。

罫線の色

ダイソールーズリーフの罫線は緑がかったグレーで、うぐいす色っぽい。

コクヨのほうは、上下の太いカラムがブルーで、本文の罫線色はニュートラルなグレーだ。

コクヨのほうが線にくっきり感があり、ダイソーのはそれと比べると薄いようにも見えるけれど、これはこれで落ち着いた上品な感じもある。

万年筆で比較

同じ細字の万年筆で、それぞれに字を書いてみた。

ルーズリーフ 万年筆 コクヨ ダイソー

左がコクヨで、右がダイソーだ。

ぱっと見で左の字が薄く、右の字が濃く見えると思う。

実際に同じペンで書いてもコクヨは字が細く書け、ダイソーは太く書ける。

これはダイソーのルーズリーフのほうが、コクヨのよりもよくインクを吸うからだ。

コクヨキャンパスルーズリーフさらさら書ける拡大

まず「コクヨキャンパスルーズリーフさらさら書ける」に書いた字を拡大してみた。

ダイソールーズリーフ拡大

そしてダイソーのルーズリーフの拡大がこちら。

文字の太さとともに、紙の表面の平滑具合にも注目してほしい。

ダイソーのほうは紙の凹凸がわかりやすい。

ペンの感触

接写を見てわかるようにコクヨのルーズリーフは比較的に平滑で、書いた感じも軽い。

ダイソーに数行書いてからコクヨに取り換えると、ペン先が滑って字が躍る感じで、最初は丁寧に始めても、すぐに崩して手癖のままにさらさらっと書きたくなる。「もっと速く書けるぞ!」と紙が言外に伝えてくる。

だから強めの自制心が必要。気持ちよく書けたけどあとで見たら汚い字だった、となる危険をはらんでいるので、慎重に書く必要がある。

ダイソーのは、接写で見ると表面がでこぼこ・ざらざらに見えるけれど、そうした語感が持つイメージよりはもっと軟質な、どこか湿度感のある感触がペン先に伝わる。

語弊を恐れずに表現するなら、「ふかふか」に近い。

例えていえば、くたっとしたタオルケットの上にシーツを敷いてその上を歩くみたいな…。

グリップがよくきいて思いどおりに点画が止めやすく、はねやすく、曲げやすい。しかしコクヨとの比較では、書き味は重めだ。あくまでコクヨの「さらさら書ける」と比べれば、ではあるけれど。

裏うつり

スマホのカメラが勝手にコントラストを付けてどちらもくっきり透けてるように見せちゃうんだけど、明るさをいじって調整してみた。黒い下敷きの上に置いた場合、肉眼ではこの程度に見える。

まずはダイソー。

そしてコクヨのキャンパスルーズリーフ。

コクヨも透けてはいるけれど、ダイソーのほうがより多く透けている。

字を間違ったところを書き重ねてごまかしたりすると、完全にインクが裏に抜けたりもする。

また、白い紙の上ではコクヨでも透ける。だからルーズリーフをまとめてバインダーに綴じるとやっぱり多少は透けるんだろうと思う。

キャンパスルーズリーフの「さらさら」と「しっかり」の違い

コクヨには今回買った「さらさら書ける」タイプのほかに、「しっかり書ける」タイプのルーズリーフもある。

さらさらよりも人気はないみたいだけど、もしかしたらぼくにはこっちの「しっかり」のほうがよかったかもしれない。

Amazonの商品ページに、米Amazonからの転載として、こんなレビューが付いていた。

The Shikkari type campus paper has a high friction, so it is helpful if you are trying to control your pen movement more precisely. I use this paper when I am writing Chinese or Japanese (which I am currently learning), though I prefer the normal sarasara version for writing English or Maths.

「しっかりタイプのキャンパスペーパーは摩擦が大きいので、より正確にペンの動きをコントロールしたいときに便利です。英語や数学を書くときには普通のさらさらタイプの方が好きですが、中国語や日本語(現在学習中)を書くときはこの紙を使っています。」

今回比較しているダイソーのルーズリーフについても、この「しっかり書ける」タイプの持っている性格が、かなりの程度当てはまりそうに思う。

紙の厚みもあるみたいなので、ダイソールーズリーフの美点をもったままコクヨの品質で作ると、ちょうどこの「しっかり」ルーズリーフになるのではないだろうか。

下敷き

ぼくはこのソフト下敷きを使っている。

共栄プラスチックの硬筆用ソフト下敷きだ。

共栄プラスチック 下敷 硬筆用 ソフト A4黒 SBL-A4

B5のルーズリーフにB5の下敷きを敷くと紙の位置の自由度がなくなるので、一回り大きいA4サイズの黒を使っている。そうしたほうが書きながら紙を傾けたり少しずつ横に移動させていくことができて、常に楽な姿勢で書ける。

書き心地のほうは正直、それ以前に使っていたレポートパッドの裏の固い厚紙と大差ない(厚紙が優秀ともいえる)。

でも厚紙は使っているうちに反ってきて、部分的に紙が浮いた結果、筆記していてペン先を紙から十分離せず、点画がつながることが頻発していた。

今後の耐久性で、厚紙に勝るところを見せてもらいたい。

バインダー

バインダーはとりあえずダイソーの半透明のものと、コクヨのスマートリング60を購入した。

スマートリングは表紙をぐるっと裏に折り返せるので、とくに縦書きメインで使っている人には、読み返すときなど便利だと思われる。

そして最近製本リングというものがあるのを知って、これも近いうちに試してみようと思っている。バインダーよりはるかに安いし。

表紙をどうしようか。なくてもいいかな。インデックス用紙のタブを切り取って表紙にしてみようか。

コクヨとダイソーのルーズリーフ比較まとめ

まあ、実際のところ、どっちも普通に使えるルーズリーフではある。ダイソーのはたしかに薄いのが難点だけど、それをカバーできる長所もある。

以下の比較は、双方の印象をあえて極端に表現していると思ってください。

コクヨのキャンパスルーズリーフさらさら書ける

普通のルーズリーフ。

すべすべの感触だが硬いというほどじゃない・軽く書ける・逆にいうとペン先が滑りやすい・さらさら~っと素早く書きたくなるし、字のかたちもやや崩れたそんな字になりやすい。インクは滲みにくい、または吸いにくい(つまり細い字が書ける・万年筆では濃淡が出やすい)・細字の万年筆なら裏抜けしないし、ぱっと見では透けてもいない。だから使おうと思えば両面を使える。

ダイソールーズリーフ

持った感じ薄い。

どこか湿度感のある柔らかい感触・書き味はコクヨと比べると重め・止めはねが気持ち良く書けるが、たまにペン先をとられる感じもある・かっちりした字で書きたくなる。字の練習をするならこちらがいいと思う・インクは滲みやすい、または吸いやすい(だから字が太る・濃淡は出にくいかも)・細字の万年筆で普通に書くぶんにはインクの裏抜けまではしないが、裏から見て字が書いてある行が一目瞭然でわかる。だから万年筆では両面には書く気がしない。あと、丈夫ではないと思うので、筆記後も繰り返し参照するノートには向かないとは思う。

まとめ

コクヨにもダイソーにも、性質の違う良さがそれぞれにある。

Amazonの英文レビューのように、「しっかり書ける」タイプのルーズリーフも含めて検討して、課目とか言語で適切に使い分けるのがベストだと思う。

でもダイソーもいい。安さを度外視してもそれなりの美点がある。110円出して一度使ってみるといいと思うよ。

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