昨年10月に発売されてすぐに、ScanSnap iX1500を購入した。
部屋に本が溢れており、それを電子化(いわゆる「自炊」ですね)するために、前の機種のiX500を買うかどうかを長い間迷っていたのだけれど、その逡巡の理由の大きな部分が「より高性能な後継機種が近いうちに出るのではないか…」というものだったから、iX1500の登場に、そら来た!とばかりに飛びついて買った。
以来暇をみては、せっせと押し入れから本の箱を引っ張り出して、選別、裁断、スキャンしている。
当然ながら、電書にしたことであらためて読む機会を得る本がたくさんある。ページを眺めているだけで当時のなつかしい空気が心の中によみがえり、そういえばこの本は車の中で読んだなあとか、この作家についてあの人とあんなこと話したっけとか、本とは関係ないことまで次々に思い出し、あの頃の未来に僕らは立っているのかなぁ的な感慨を覚えたりする。
とくに学生時代に読んだ本でまだ手元に置いてあるものには、濃淡はあれどどれも愛着があり、これは裁断するに忍びないと思って再びダンボールにしまうなどしているので、蔵書の整理には終わりが見えない。
しかし本の電子化作業には妙な中毒性があるようで、最初のうちは本を解体することに心情的な抵抗も感じていたはずなのに、十数冊スキャンし終えてページの束を結束して、スキャナも片付けてしまうと、それから一日も立たないうちに「次はどれを電子化しよう」「まだスキャンできる本があるだろう」という気持ちになってくるのだ。
そのうち読み終えた本だけでなく、まだ読んでない本にも手を出しそうな勢いである。数か月後には、押し入れも本棚もすっかり空になっているかもしれない。
そんなふうに本はぞくぞくと電子化しているものの、それを読むための端末がいまはPCしかないので、本を外へ持ち出したり、寝転がって読むようなスタイルまでは作れていない。あの頃から見れば想像もしていなかった未来に来ているようでも、一面では昔より不便なところのある読書形態に甘んじている。
こんどセールで安くなったら、AmazonでFire HD 8か10を買うつもりだ。
追記・Fire HD 8を買いました。
iX1500の機能解説・レビュー記事