英語多読 5か月目 ラダーシリーズのレベル5と講談社英語文庫

100万語をめざす多読の5か月目は、まずラダーシリーズのレベル5から読んでいった。

そのあとは興味のある本を求めて講談社英語文庫にスイッチした。

5か月目を振り返ってみると、あらためて語彙力の不足と必要を実感した月だったように思う。

 ラダーシリーズのレベル5

ラダーシリーズは、2000語水準までの語彙リミットがあったレベル4から、レベル5になると使用単語に制限がなくなる。

そんなわけでレベル4までと比べ、知らない単語がどんどん出てくるようになった。

日本の経済

『日本の経済』は、高校の政治経済くらいでいいので、日本の経済史や日本型経営についてざっと概観したことがある人におすすめだ。

こうした分野について基礎的なことを聞いたり読んだりしたこともない場合、英文のレベルとは別の部分で理解が難しいかもしれない。でも経済ニュースがだいたい分かれば大丈夫そうだけど。

戦後の経済政策の流れは興味深いし、ニュースに出てくるような単語・熟語も山ほど出てくるので、ラダーシリーズに収録されているほかの多くの本ではあまり触れることのできない単語をたくさん吸収できると思う。

新宿の果実

日本の作家、盛田隆二さんの短編小説の英訳版。

作品は新宿の裏の世界を垣間見るある夏の少年たちを描いている。もともとはフランスで出版される『東京小説』というアンソロジーのために書かれたということだ。

文章には、これまでに見た覚えもないような難しい単語が遠慮なしにバンバン出てくる。でも、(おそらく原文の時点から)ひとつひとつの物事がくっきりはっきり語られている文体なので、「文章が省略や指示代名詞で絡み合っていて意味するところがあいまい」というようなことがなく、わからない単語はわからないままでもそんなにストレスなく読むことはできる。

でもやっぱり、結局語彙力も必要なのだとは実感させられた。

講談社英語文庫

講談社英語文庫は、基本的には「原作の原文そのまま」を収録している。使用している語彙数に応じてレベル別に難易度が調整されているラダーシリーズとはその点が違う。

一部の例外として、長大な作品では適宜抜粋して抄録のかたちになっているものもあり、また日本の作品を含め英語以外からの翻訳となるタイトルもあるものの、もともと英語で書かれた作品の多くは、作家が書いた文章そのものに接することができる。

チョコレート工場の秘密

ロアルド・ダールの小説は、多読を始めた最初の頃にラダーシリーズレベル2の『ロアルド・ダール傑作短編集』で読んでいる。

こちらの『チョコレート工場の秘密』は邦訳も含めて初読だった。とても面白く、これを小学生の時に読みたかったものだとつくづく思った。なにより作中で描かれるお菓子工場に夢があっていい。ジョニー・デップ主演で映画にもなっている。

英文の難易度はラダーシリーズでいうとレベル3から4くらいだろうか。難しい単語も結構出てくるけれど、そのなかには日常的に使われていると思しき表現もたくさんあり、読み返すことで身に付きそうだ。

ラダーシリーズに巻末の単語集があったように、講談社英語文庫にも巻末には「Notes」として本文各ページの単語や熟語、文章の意味や解説が載っている。ぼくは1章読み終えるごとにその部分をざっと確認していた。

モリー先生との火曜日

最終的には人が亡くなる話で、しかも実話に基づいているとなると、序盤は読むのに気が進まないところもあった。でもモリー先生の言葉と人物像に引き込まれて最後まで読み終えた。

難易度は今月読んだなかでも高め。どのページにも2つか3つほどはわからない単語や表現があったし、読むときのコンディションによるのか、本に没入できるときもあれば、きょうはえらく難しく感じるなと思うときもあった。ラダーシリーズでいうならレベル5ということになりそう。

『チョコレート工場の秘密』よりは、一読して意味を取れない箇所が多く、速読しようとすると、単語や表現が難しくて行の上を目が滑っていくようなこともしばしばあった。現代の文章でも倒置構文の仮定法とか実際に使うのね。

アルケミスト

裏表紙に書かれているTOEICレベルは470点で、これは『モリー先生との火曜日』と同じだった。

でも読んでみると、こちらのほうが易しいように感じた。1ページに出てくる知らない単語も少ないし、この文章がどういう意味なのかと巻末を確認する頻度も少ない。

書かれている小説それ自体の寓意の深さは別として、文のつくりなどのレベルは難しいことはなく、ぼくには『モリー先生との火曜日』よりも読んでいて内容に集中しやすかった。ラダーシリーズのレベル4のなかにあってもそんなに違和感はない。

OL進化論

講談社英語文庫のOL進化論には、「英語のみ」のバージョンと「対訳付き」のバージョンがある。

英語のみのバージョンでは1ページに4コマ漫画がふたつ、対訳版だと1ページにひとつ載っている。

この本(英語のみ)では、吹き出しのセリフだけでなくコマ内に書かれた擬音語や擬態語もすべて英語に置き換えられている。だからほかの本ではあまり触れることのできない擬音語・擬態語の具体的な用例にたくさん接することができた。

英語のみ版の1巻と2巻が、ちょうど文庫版コミックスの1巻と2巻に対応していた。

きみに読む物語

『モリー先生』のような実話に基づいた作品かと思って読みだしたら、純然たるフィクションだった。

途中までは、ピュアな(…いじわるな言い方をすればあまり個性のない)ラブストーリー。男女双方のパートが別々に始まって、その流れが合流する。

英文は難しくはなく、こちらもTOEICレベルは470点と表記されている。でも読んだ感じでは『アルケミスト』よりさらに易しく感じたし、巻末のNotesを参照するのも数ページに一度だった。

ただぼくにはなぜか、難易度のわりに中盤までのパートで息が切れ気味で、3分の2まで進むのに一週間くらいかかってしまった(終盤は一気でした)。

著者のニコラス・スパークスさんはとりわけ映画化作品が多いベストセラー作家だそうだけど、そのDVDのジャケットがどれもだいたい同じなのがすごいと思いませんか。

老人と海

andでつないで長く続く文がけっこう多い。ヘミングウェイの文章は短文を重ねるようなものが多いイメージを勝手に持っていたので、ちょっと意外。

その結果、具体的なことも抽象的なことも、いまここにあることもこれまでに経験したことも、すべてのことがらがひとつの平面上で語られているような、叙事詩的な効果が発生している印象がある。

何度か出てきたDolphinは当然イルカだと思って読んでいたら「シイラ」もそう呼ぶそうで、船の用語や漁具の名前、魚の種類などの単語では巻末を参照することが多かった。

全体として、比較的簡単な単語で作られた長い複文・重文をたっぷり味わえる作品だった。読むのに肺活量が必要だし、長い文の途中に一部だけ分からない箇所があると文全体の理解もあいまいになるという難しさがあった。

宮本武蔵

吉川英治の『宮本武蔵』の英訳版から、10の名場面を抜き出して編集されたもの。

その原作が青空文庫にあったので、英語(語彙レベル)自体は難しめではあったものの、わからない箇所はNotesや原文を参照しながら読み終えることができた。

読み比べてみると、原作の簡素な日本語に対して英訳のほうには適宜補足や説明的な描写が盛り込まれていて、より現代の小説に近い形で語られていることがわかる。

英文を読んでから確認のために同じ個所を日本語で読むと、それはそれでスタイリッシュで雰囲気はあるけど、薄味に感じられて物足りない。英訳者の仕事ぶりを称賛したい。

まんが日本昔ばなし

昔TBSで放送していた『まんが日本昔ばなし』。ほぼ全ページにテレビアニメの絵を切り取った挿絵が入っている。シリーズで何巻かでていたようだ。

この巻に入っているのは「かちかち山」や「一寸法師」ほか全10話。お話の大筋はもともと知っていても、英文には高校レベル以上の単語もけっこう出てきて、表紙から受けるイメージほど易しくはない。

累計の語数

5か月目:22万8000語

累計:93万4000語

漫画の『OL進化論』は語数の推計が難しかったので、今月の読んだ語数には含めませんでした。

まとめ 100万語を超えたあとは

今月までにごく短い児童書なども含めて数十冊読んできた。

今月は読む物のレベルが上がったこともあり、あらためて語彙力の必要を感じた月だった。

100万語を読み終えたらまた新しい本を読んでいくのもいいけれど、それと並行してこれまでに読み終えた本のなかから気に入った本をどれか1冊選び、その1冊をもはやわからない部分がどこにもないくらいまで読み込んでみたら、語彙力や英文読解力の底上げになるのではないかと思う。

そしてそれを数冊~十冊以上こなすことができれば、そのときはもう多読を始めたころとは明らかに違う水準に来ていることを自覚できるのではないだろうか。

今月読んだ『モリー先生との火曜日』『老人と海』や、先月読んだ『罪と罰』には知らない単語や熟語がたくさん出てきた。そうした本を用いておいおいそんな読み方をしてみたい。

 

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